第三部 めぐみのやま
            


タヌキとキツネ
仲良く遊ぶ親ダヌキと子ギツネ。夜行性のタヌキと、用心深いキツネが、こうして一緒にいるのはめずらしい。
島原市三会の山中 平成5年6月2日


ヒヨドリ

秋から冬にかけて人家の近くにも姿を見せ、ピイーヨ、ピイーヨとなく。増えすぎると畑の作物にも被害を与える。


椿

早春に鮮やかな赤い花を咲かせる。花の蜜は甘い。種から取れる椿油は、昔から髪につける化粧品になった。
千本木の上のタシロ 平成5年4月18日


鳩ン穴 1


鳩ン穴 2


鳩ン穴 3
鳩ン穴
 かつての普賢岳の噴火で、溶岩が出たトンネルが崩れ落ちてできたと言われる洞穴。いわゆる風ン穴の一つで、ここは、昔とくに北穴と呼ばれていた。真夏でも0度前後と冷たく、中にできた氷の柱やツララは、1年中溶けずに残っていた。藩制時代には、殿様が病気になると、ここの氷を取ってきて看病に使ったという。そのころは今と違い夏場の氷は珍しく、島原藩では、隣の藩に贈り物として届けていたという記録も残っている。登山の途中には涼み所として皆が利用した。


ヤマボウシ
山地にはえるミズキ科の落葉高木。初夏の新緑の中に真っ白な花を咲かせる。実は小粒で、秋には赤くうれる。りんごのような甘酸っぱい味がしておいしい。蜂蜜漬けにして子供の成長促進に用いた。
平成3年7月3日


ミヤマキリシマ(深山霧島)
九州の火山地帯に多いツツジの一種で、仁田峠や妙見岳、国見岳に群落がある。ウンゼンツツジとも言われ、長崎県の花として知られる。国の天然記念物に指定されている。
平成6年5月10日


霧氷
寒い冬には、山頂付近の木に空気中の水分が凍りついたり、霧や雪が吹きつけられたりしてできる。冬の普賢岳は霧氷見物でもにぎわった。
平成6年1月1日


イワタバコの花
イワタバコは、夏に紫色の小さい花を咲かせる。ナスの花を小さくしたようなもの。


アケビ
つる性の落葉樹。実は秋になると熟れて2つに割れる。種が多いが、なかなかおいしく小さなころには良く食べた。


グベ
常緑樹で、秋にはたまご大の赤い実が熟れる。とても甘い。黒い種が多く、ちょっと食べにくいが・・・・。


もみじ
カエデとも言う。紅葉する樹木の一つで、普賢岳ではコハウチワカエデ、コミネカエデ、ウリカエデ、チドリノキ、カジカエデなど。


紅葉
普賢岳の紅葉樹林は、国指定の植物天然記念物だった。ヤマボウシ、ナナカマド、カエデがおもで、10月下旬から11月上旬が見ごろだった。
昭和61年 秋




ハゼの原木(昭和福ハゼ)
昭和初期、国のハゼノキ奨励品種として登録され、この名称がつけられた。果実の中のロウの量が、普通の木の1.7倍もあることから福ハゼと呼ばれ、島原藩が栽培を奨励し、盛んなころは10万本近く植えられていたものの一つである。
 県指定天然記念物である。平成5年の火砕流で焼失し、接木されていた2世が、研究所横の薬園跡に植えられている。


初夏


ゲンノショウコ
夏に梅の花に似た花が咲く。葉や茎は干して、下痢止めの薬に使われる。イシャイラズとも言う。


霊芝
ドングリ(クヌギ)の木の根っこにはえている。不老長寿の薬として珍しがられ、せんじたり、焼酎に漬けて服用する。


サルナシ
7〜8年前に普賢神社の前で見つけた。実はキュウイに似ていて、青いゼリー状の果肉の中に黒い種がいっぱいある。キュウイより甘みがありおいしい。


イワタバコ
岩の上にはえる多年草。茎はとても短く、葉は根からすぐにはえ、タバコの葉に似ている。葉をせんじてのむと、婦人病に効くとされ、胃腸薬にもなる。


風ン穴
真夏でも冷たい洞穴で、明治時代以降に養蚕業が盛んになると、自然の冷蔵庫として蚕の貯蔵に使われた。


氷室
登山途中の飲料水になった湧き水を利用し、藩制時代から氷の製造と保存をするために作られた小屋の跡。


260年前の鳥居  平成3年7月21日


被災後の鳥居   平成3年3月10日
鳥居
高さ4.3m、幅4.4m、柱の周囲2.3mの大きな石造りの鳥居である。260年前の元文元年(1736年)に3代目藩主松平忠俔が建立した。この殿様は信条深く、同じ年に護国寺三十番神も造立している。
 島原から南千本木を経て山頂に至る最も近い登山路の途中(3合目付近)のドンク鳴きの上に建っていた。しかし、残念ながら平成4年7月30日の土石流で倒壊し、その後続いた土石流で流出してしまい、今はその残骸すらない。